“きもの”は寸法を変えられると知っていますか?仕立て直すことで大切な“きもの”を受け継いでいく。

[和文化・コラム]

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最終更新: 2017/04/01

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最終更新: 2017/04/01

 

きものの汚れを落とし、筋を消すための作業が洗い張り

きものを解いて反物に戻してもそのまま縫ったのでは、前の縫い目が出てしまいます。そこで必要な作業が洗い張りです。

洗い張りは一度解いた反物をつなぎあわせ(これを端縫いと言います)、お湯と専用の洗剤で洗い、伸子張りや湯のしで筋を消し、布のりを引いて生地に光沢を出す作業です。

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洗い張りをすることで生地自体も風合いを取り戻し、汚れや筋も消えるため、寸法を変えて仕立て直すことができるのです。

一枚一枚仕立て屋さんが着る方の寸法に合わせて縫う

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洗い張りが済んだら、今度は仕立て屋さんの出番です。次に着る方の寸法に合わせて、一枚一枚手で縫っていきます。

今は海外仕立てや、ミシン仕立てが増えましたが、洗い張りをして仕立て直す場合、汚れや柄の位置など仕立て屋さんと呉服屋とのやりとりが多いため、やはり国内手縫いの方が安心です。

娘さんの寸法に仕立て上がったきもの

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無事娘さんの寸法に仕立て上がりました。こうして着る人が変わるたびに、きものも形を変えていくのです。

お母さんが着たきものを娘さんが着たり、嫁入り前に仕立てたきものを寸法や色を変えて仕立て直したりしながら、受け継がれていく。それがきものの良さの一つだと思います。

次回は、きものは色も染め直せるという点をご紹介させて頂けたらと思います。

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この記事を書いた人
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だるまや京染本店の6代目 八木賢一です。 大学卒業後4年間会社勤めを経験し、2008年4月から呉服屋兼洗張職人として修行中です。 今まで学んだきものに関することを、たくさんの方に知っていただけたら嬉しいです。 きものに関することでお悩みの方は、どんな些細なことでも遠慮なくご相談くださいませ。

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