「可愛い子どもたちが、もっと可愛くなるように」そんな願いがこもった日本の髪飾り、つまみ細工。
京都の大徳寺すぐ脇、閑静な街の中にあるかわいいのれんをくぐると、誰かへの想いが込められたつまみ細工の飾りが仲良く並んでいるお店、「おはりばこ」さんがあります。
「おはりばこ」という名前は、店主・北井秀昌さんのお祖母様が、自分の子ども(北井さんのお母様)のために、ハギレを手縫いして何かを作ってあげたことが原体験になって名づけられました。今回はおはりばこ店主・北井秀昌さんに、おはりばこさんのつまみ細工への思いを伺いました。
目次
晴れの日を、より可愛く、美しく飾るつまみ細工へのこだわり
ここ数年、つまみ細工の種類は多種多様になり、誰でも手軽につまみ細工を買ったり作ったりできるようになった気がします。その第一線でつまみ細工を作り続けてきたおはりばこさんの「こだわり」とは何でしょうか?
色へのこだわり
つまみ細工は元々、晴れの日を祝うときの髪飾り。合わせる着物も七五三や振袖など、とっても垢抜けて鮮やかな衣装です。おはりばこさんの髪飾りには、髪につける小さな髪飾りでも着物に負けない華やかさがあります。
「たかが髪飾りですけど、一番お顔に近いところにあるもので女性のお顔の色を引き立てる大切なもの。なので、一番いい髪飾りを作ろうと思うと、自然に一番いい着物を作るのと同じ材料や手間ひまが掛かります」(北井さん)
おはりばこさんで扱う髪飾りのほとんどが、丹後ちりめんの綸子(りんず)という生地を引染めで染めたもの。色はすべてオーダーで染めてもらいます。引染めは、数ある染色技法の中でも発色が良く、長年色あせにくく染められるという利点もあるそうです。思い描いていた色とほんのちょっとでも違うと染め直してもらうというこだわりようは、「『どこの呉服屋さんよりもうるさい』と言われます(笑)」と北井さん。
裏から見ても美しく作る
髪飾りはつけてしまえば、見えるのは基本的に表の部分だけ。でも「裏から見ても美しく」これがおはりばこさんの哲学だと言います。
「自分で作れるベストを尽くす。これは元々職人でもある母の思想で、理由とかそういったものではないのです。手間ひま掛ければ裏まできれいに作れるなら、作る。出来る限り手を尽くすというのが私達の考えです」(北井さん)
写真:おはりばこさんの作り手さんは、まずはこのお花一輪を美しくつくることが目標とされているそうです。左は合格、右はもう少し修行が必要な例。
表からだけではわからないかもしれませんが、こうしたこだわりや愛情が表の美しさに現れているような気がします。晴れの日には、どこからみても美しい、そんなものを身に着けたいものですね。
写真:垂れ下がる「下がり」の部分がは取り外せたり、付ける位置を変えることもできる。見えないところの細かい作業は、こういった工夫も可能にするようです。
「カワイイ」商品作りの秘密
自分たちで作って自分たちで売る
おはりばこさんの可愛らしいお店は3階建て。1階は販売店舗、2階は工房、3階はネットショップ、更にお店の奥には中庭を挟んで、離れになっている日本家屋が建っています。そちらでは、つまみ細工の体験も開催されていて、おはりばこさんの全てが一箇所に集まっています。なぜこのような作りになっているのでしょうか?
「うちのお店の特徴は、自分たちで作って自分たちで売ることです。作り手も販売に回りますし、商品の会議に販売スタッフも入ります。お客様の好みは毎年変わります。作り手も店舗に立つことで、実際にお客様と触れ合い、つまみ細工をつけてもらう。それを何回も数をこなしていくことで、お客様がほしいものに一番近道でたどり着けます。さらに、お客さんの今の傾向を商品にするのではなくて、まだお客様が気づいていない可愛らしさを提案できる商品をつくるには、ただ作業をこなすだけでは出来ないことなのです」(北井さん)
作り手として、お客さまの声を直に聞ける環境があるというのは、とっても大切なことなのですね。
材料や手間も惜しまない商品を届ける
自分たちで売るということは、通常作り手と販売の間にあるメーカーさんや、問屋さんを一切通さないということ。具体的な例をあげると、最終的に1万円でお客さまの手元に届くことを考えると、卸売の価格は2〜3000円くらいにしないといけません。そうすると、生地や材料、作業時間など何かを切り詰めないといけず、今お店に並んでいるような商品を作れないそうです。
「自分たちで作ってお客さまに直接販売するのですから、問屋さんを通したらこの値段では出せないというものを作っています。材料も手間もケチらない。絶対の自信を持てる商品を届けています」(北井さん)
店内で働くスタッフの皆さんが生き生きとお客さまとお話しているのは、自信を持って商品をお勧めできるからなのでしょう。
デコる、飾るを突き詰める、つまみ細工のこれから
日常生活や、カジュアルな場面でもつまみ細工を
年齢を重ねてくると、華やかなつまみ細工よりも、べっ甲や金属などの髪飾りが増えてきませんか?つまみ細工の可愛らしさには惹かれるのに、身につけるとなると少しハードルが高い気がしている方も少なくないのでは。
「着物だけでなくても、つまみ細工をデコレーションの一つとして、ピアスやイヤリングのように洋装で身につけたり、襖絵や照明などの空間を飾るインテリアに使うなど、”飾る”ということをつまみ細工を通して突き詰めていこうと思っています」(北井さん)
こういったアイデアもスタッフとの打ち合わせの中から出てくるものだったようで、おはりばこさんらしい取り組みですね。
おはりばこさんでつまみ細工を体験してみましょう♪
つまみ細工を買うだけではなく、つまみ細工を自分で作る楽しみも提案するのがおはりばこさんの楽しいところ
つまみ細工作り体験(1回)
つまみ細工でお花を作る体験が出来ますよ♪
出来上がったお花は、かんざしまたは、クリップすることが出来ます。
飾りの台もついてくるので、飾るだけでもとってもカワイイです。
体験費用は3,240円(税込み)。予約優先制、当日予約可能。
詳細はこちら
つまみ細工教室 初級コース(通いのコースです)
初級コースの概要
初心者さん・はじめての人でも参加できる、つまみ細工をつくる楽しさもしっかり経験できる講座です!
これから楽しく作り続けるために、基礎の基礎をしっかりと。
経験者の方、基礎を見直したい方にも丁寧にお教え致します。
沢山のお花を短期間でたくさん作れます、という講座ではなく、
しっかり美しいお花を作れるようになる、を目指した講座を開講します。
詳細はこちら
日本橋高島屋にて《おはりばこ展》が開催
日本橋高島屋にて2018年5月16日(水)〜22日(火)までの期間、おはりばこさんが出店されます。
今回は
・髪飾り大幅取り揃え!(浴衣用、七五三、成人式、ブライダル、卒業式・・)
・お誂えご相談
・つまみ細工実演
・ワークショップ(胡蝶蘭のバッグチャームを予定しております)
・七五三2018新作髪飾り 先行発売
と内容が盛りだくさん!
特に、七五三は2018年新作をネットショップより一足早く発売されるみたいです!
東京に出店されるせっかくの機会ですので、ぜひお近くの方は足を運んでみてくださいね。
日本橋高島屋《おはりばこ展》
10時30分〜19時30分
日本橋タカシマヤ7階 呉服サロン内 ギャラリー「和むすび」
イベント詳細ページ(Facebook):日本橋高島屋《おはりばこ展》呉服サロンきものギャラリー「和むすび」
<おはりばこ 詳細>
〒603-8215 京都府京都市北区紫野下門前町25
電話番号:075-495-0119
営業時間:10:00〜19:00(水曜定休)
ホームページ:http://www.oharibako.com/
Facebook:https://www.facebook.com/oharibako/
Instagram:https://www.instagram.com/oharibako/
Twitter:https://twitter.com/twit_oharibako
#趣ライブでもおはりばこさんをご紹介させていただきましたのであわせてご覧いただけましたら幸いです。
編集部おすすめ記事ピックアップ
<YouTube動画で販売促進|着物業界>
YouTube運用代行「カケアイ」
<YouTubeを活用して着物の販売促進をお考えなら!>
おすすめYouTube運用代行会社10選