本気で取り組み、着物をキャリアに。ろっこやオーナーろっこさんインタビュー

[特集・取材]

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最終更新: 2018/02/18

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最終更新: 2018/02/18

 

趣通信スタッフのちあきです。

モダンで大人っぽいテイストが人気の着物ブランド「ろっこや」のオーナーであり、はいかる糖花馬場装飾のブランド立ち上げを支援したろっこさん。率直なお人柄にファンの多いろっこさんに、着物との出会いから着物をキャリアとする生き方についてお聞きしました。

 

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ろっこや代表 ハミルトンヒロコ

美容師、ヘアメイクを経て結婚を機会に着物学院へ通い、卒業後、フリーのヘアメイク着付け師、着付け講師を経験
2012年にろっこやwebshopを開設
モダンとトラッドを融合させた洗練されたデザインが人気のきものブランド・職人による伝統技術や産地とのコラボ商品他、カジュアルからフォーマルまでオリジナルデザインで発信
毎月最終週金曜~日曜をopen shop days

 

 

ブランドろっこやができたきっかけはカナダでの結婚式

かっく
私、実はスタイリストをしているんですが、数年前ろっこやさんに撮影用の衣装を借りに行ったのがきっかけで知り合ったんですよね。

 

ろっこ
はい、青い着物でしたよね。私のお気に入りなので選んでくださって嬉しかったです。

 

かっく
今は人気ブランドのオーナーとしてご活躍のろっこさんですが、ずっと着物のお仕事をされていたんですか?

 

ろっこ
いえいえ、20代は成人式で着たくらい。本格的に着物に取り組み始めたきっかけはカナダ人の夫との結婚式でした。

カナダで挙式をあげたのですが、参加者は現地の方が多いから着物を着たら喜ばれるだろうと思って振袖一式を持って行ったんです。ところが着付けしてくれるはずだった叔母が突然来られなくなってしまって。慌てて現地で着付けができる人を探し大使館にまで連絡しました。

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バタバタしているところに、ふと主人から「どうして自分の国の民族衣装が自分で着られないの?」と聞かれたんです。

披露宴でも着物を初めて見る人がほとんどで歓声が上がったのですが、「この模様はどういう意味があるの?」「普通のキモノより袖が長いのはなぜ?」と質問されても何も答えられなくて。

それまで自国の伝統衣装に関心さえ持たなかったことを恥ずかしく思い、日本に帰る飛行機の中で「絶対に着物のプロになろう」と決心しました。

 

かっく
最初からプロになるつもりだったんですね。

 

ろっこ
はい。もちろんプロになれるのかどうかはわからない、でも失敗したとしてもやってみるべきだと思いました。一度「着物って、いい」と思ったのだから、挑戦しなければ後悔する。本気で取り組むべき波が来たと思ったんです。

ただその時はブランドを立ち上げるのではなく、着付けをしようと考えていました。

帰国後、早速着物を集め始めたのですが、私は背が高くてアンティークや古着ではなかなかサイズがないんです。そこで反物を買って仕立てようと思い和裁を始めました。縫製ができるようになると今度は染めや織りが気になって。着付けだけでなく、着物ができるまでの工程にすっかり魅了されてしまいました。

 

そこでオリジナル生地を作ったり、海外から仕入れた布で着物を作ったりして、自分の着物ブランドろっこやを立ち上げたんです。現在はwebショップのほか、百貨店やラフォーレで定期的にポップアップショップを開いています。

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かっく
全くの初心者だった結婚式からブランドの立ち上げまで・・・。ろっこさんの真剣さが伝わってきます。

 

ろっこ
そうですね。私にとって着物は、魅力的であると同時に覚悟を持って取り組む波でした。そういう波は誰にでも来ますが、本気で取り組みたいと思ったらその波に乗ろうと決心できるか否か。後押してくれる人もほとんどいないことが多いので、自分で乗ろうと決めなくてはなりません。

特に「着物」という分野は必需品ではなく嗜好品ですし、一見敷居が高い。だからこそ私自身はキャリアとしても、もちろん趣味としても、これから着物に取り組みたいという人の後押しがしたいと思っていますね。

 

15歳で自立。今はたくさんの人に支えられてろっこやを運営している

かっく
実はろっこさん、10代半ばで独り立ちされたんですよね。

 

ろっこ
はい。私は15歳で自活を始め、最初はガソリンスタンドでも働きました。自分で稼いで、自分で生活して。誰も頼れないから一生自活できる職を、また働きながら資格を取得できる仕事をしようと思って美容師を目指したんです。学費を払いながら仕事をして、生活していくって大変だな、と思いましたね。

そんな風に決めた美容師という職は、自分にとってあくまで食べていくための仕事でした。やりがいはもちろんあったけれど、楽しいわけではなかったし、お客様も同僚もあくまで仕事上のお付き合い。楽しさや仲間を求めたこともなかったですね。自分で技術を習得して、自分で稼いで、誰のサポートもなく自立しているんだって思っていました。

プロとして取り組むことを決めた着物も、最初は一人きりで頑張ろうという気持ちでした。でも、実際に着物をキャリアにした今は、全く心持ちが違います。私の力だけではブランドろっこやの運営はできないんです。

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ろっこやの着物を作るためには、職人さんや取引先の工場の皆さん、たくさんの方々の力を借りなきゃいけない。職人さんが何十年もかけて磨いた技術の前ではとても謙虚な気持ちになりますし、着物にはまだまだ知らないこともたくさんあって。全部自分でするなんてそもそも不可能だな、と良い意味で肩の力が抜けました。

着物の企画から販売まで行う長い過程にはスムーズにいかないこともたくさん起こります。もちろんストレスもたまる。そんなときは夫が励まし相談に乗ってくれるから、「よし、また頑張ろう」って回復することができます。

そして、やっと完成した着物を受け取って、お客様が喜んでくださる。こうして誰かが喜んでくれるから、作るのは大変だったけれどやってよかったなって思えます。お客様からの「こんな素敵なものを作ってくれてありがとう」という言葉は、着物作りを仕事にしなければいただけなかったものですね。

そんな風に仕事を通して知り合った方々との関係も、単に仕事上のお付き合いではとどまらないんですよね。着物好き同士、プライベートでも仲良くなる。かっくさんともそうですよね。

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たくさんの人のおかげでろっこやがある。支えられてブランドろっこやとろっこやの私があることに、感謝しています。

だから、私も着物に興味がある人、作ってみたいという人をサポートしたいんです。私が持っているものなら喜んでシェアするよって。

 

着物を作るなんて、すごくハードルが高いことのように思えますよね。でも先ほどお伝えしたように、たくさんの人の力を借りれば可能ですし、その方法を知っていたらもっと簡単になります。

実際に着物を作りたいという後輩たちに、職人さんや染め工房を紹介したり、取引の方法を教えたり。そこからそらこちゃんのはいかる糖花馬場ちゃんの馬場装飾が生まれました。

かつての私のように着物を作ってみたいなと思っている皆を手伝うことができること、挑戦したい人の背中を押してあげられること、嬉しいですね。

 

和服から最も遠い?原宿ラフォーレで着物のお店を開く理由

かっく
ろっこさんはそらこさんや馬場さんと一緒に、原宿のラフォーレでポップアップショップを出しているんですよね。

ラフォーレというと、原宿らしいポップで個性的な洋服で有名なファッションビル。なかなか着物を買いに行く場所としては挙がりませんが、なぜ出店されるのでしょうか?

 

ろっこ
着物を買いに行く場所ではないこと、まさにそこが目的です。

ラフォーレに来ているのはおしゃれな洋服を買いたい若い女の子たち。普段着物を着る層とは大きく異なります。だからこそ出店することで着物との初めての出会いを増やせるんです。

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物心ついてから一度も着物を着たことがないという人や自分とは関係がないものだと思っている人がたまたま通りかかって、「着物ってこんなに可愛いものもあるんだ!」とか「思ったよりずっとリーズナブルなんですね」と驚くこともしばしば。

興味を持ってちょっとした小物を買って行ってくださったら、そこから本格的に着物を着てみたくなる人もいるはずです。

その場その場のビジネスとして考えたら、他の場所に出店したほうがいいかもしれない。でも私は着る人を増やしたいんです。だから着物に触れるきっかけを作りたい。そしてその人が興味を持ったら「やってみなよ」って後押したいんです。

 

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真剣な眼差しで語ってくださったろっこさん。

ときに優しく、ときに厳しく着物に取り組む姿勢からは、キャリアとしての着物への愛と覚悟が伝わってきました。

 

そんなろっこやさんの情報は以下の公式アカウントから配信されていらっしゃいます。ぜひご覧になってみてくださいね。

公式サイト:http://roccoya.com/

WEBショップ:http://roccoya.ocnk.net/

Facebook:Roccoya

Instagram:roccoya_official/

Twitter:roccoyaofficial

 

 

 

 

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この記事を書いた人
ちあき
ちあき

趣通信編集部スタッフの島田ちあきです。 着物デザイン事務所で働いたことがきっかけで着物好きに。 趣味は海外でアートな写真を撮ること、イラストを描くこと。 着物コーディネートや和グッズの情報はもちろん、普段はなかなか見えない、背景にあるモノづくりの情報も発信していきます♪

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