趣通信代表のケビンです。
今回は、山梨でオーダーメイドの子供着物専門のお店をされている、富士山着物工房店主の中林あゆみさんに解説頂きながら子供の着物の腰上げの調整方法についての手順をご紹介します。
目次
【簡単】子供の着物や浴衣の腰上げ、着丈・寸法のサイズ直しのやり方
【所要時間30分】子供の着物や浴衣の腰上げ簡単6ステップ
お子様の成長に合わせて必要になってくる着物の腰上げの方法を手順に従い解説していきます。
手順1:丈を伸ばす長さを測る
まずは実際にお子様に着物を着てもらい、何センチ丈を伸ばしたいかを測っておきましょう。
今回は、着物の丈を6cm伸ばす場合の腰上げの方法の紹介です。
手順2:縫うところにチャコで印を付ける
印を付けるのは、外側からは見えないたくし上げている内側の部分です。
まずは、着物の内側を出して裾が自分の方に来るように、腰上げ部分の輪が上になるように置きましょう。
次に、実際に縫うところに線を引いていきます。
七五三などの正装の着物は大切なものなのでチャコでは印を付けず、下の写真の様にマチ針で印を付けていきます。
今回は、カジュアルな洗える着物の腰上げなので分かりやすいようにチャコで印を付けていきます。
今回は6cm丈を伸ばしたいので、縫ってあるところから3cm上側にチャコで印を付けましょう。
上前(着物を着た時に上になる身頃の部分)は下の写真の様にヒダが取ってあります。
この部分を縫う時には、このヒダをわざわざ開いたりせず、そのまま流れに沿って縫っていくようにします。
手順3:縫い糸を選ぶ
縫った糸は表に少しだけ出てくるので、生地と同じ色の糸を選びましょう。
今回は、着物に合わせて紫の糸を使います。
着物に糸を当ててみて、生地の色よりも少し濃い色の糸を選ぶと目立ちにくくなります。
同色系の糸で、明るいものと濃い目のものがあった場合には、濃いものを選びましょう。
肩上げや腰上げは力がかかる部分です。
1本どりの糸で縫うと切れやすくなってしまうため、必ず2本どりで縫いましょう。
糸も木綿やポリエステルなどの丈夫な糸を選ぶのがおすすめです。
手順4:マチ針を打つ
印を付けたところにマチ針を打ちます。
まずは縫い目の部分にマチ針を打ち、その間にマチ針を打つくイメージです。
広いところはマチ針とマチ針の間、またその間という形で打っていきましょう。
たくさんマチ針を打った方がずれにくくなります。
上前のヒダの所もヒダがずれないようにマチ針を打ちます。
手順5:返し縫いをして縫い始め、返し縫いで終わる
それでは実際に縫っていきましょう。
縫いはじめと縫い終わりは必ず返し縫いをします。
返し縫いをすることで、解けにくくなります。
最初のひと針を刺し、糸を引き抜きます。
普通は進行方向(左方向)に縫い進めていくのですが、最初のひと針は右側に戻ります。
裏側から針を刺し、引き抜きましょう。
次からは進行方向に向かって進んでいきます。
腰上げの縫い方は「二目落とし」という縫い方で、下の写真の様に表にチョンチョンと二つ目が出るような縫い方です。
表側には少ししか縫い目が出ないので、ぱっと見は目立ちません。
反対に裏側には、糸が長く渡っています。
縫う時には裏を見ながら進んでいきましょう。
衿の部分は生地が分厚くなっている部分なので、ひと針ひと針生地に布を通しながら丁寧に縫っていきましょう。
縫い目の長いところは2~3cmになるように縫い進めていきます。
表に出る”ちょんちょん”はできるだけ細かい目になるようにしましょう。
この時点で二目落としが面倒くさいと思った人は「なみ縫い」でもOKです。
余裕のある人は、縫い目の所で返し縫いを行いましょう。こうすることでより強度が増します。
ただ、中林さんの経験上、縫い目の返し縫いはなくても大丈夫だそうです。
特に、浴衣や普段着などのカジュアルな着物に関してはそこまで気を遣わなくても大丈夫です。
ちなみに、下の写真の金具は「クケ台」と「かけはり」という道具で、布の端を挟んで使うと布がピンと張った状態になり、縫いやすくなる便利な道具です。
縫い終わりまでひたすら縫っていきましょう。
木綿の糸は絡みやすいため、初心者の方であまり裁縫が得意ではないなという人は、すべりのよいポリエステルの糸を選びましょう。
おすすめは、「シャッペ」の糸で、130円程で市販されています。
上げの調節が慣れてきたら30分くらいで出来るようになります。
一番着る機会が多いのが浴衣ですが、1年経てば子供の身長も10cm近く伸びます。
お子様のために30分時間を作って、丈を調節してあげましょう。
途中糸がつることがあるので、たまに糸をしごいてあげます。
糸が終わりかけたら、返し縫いし、玉結びをして糸を切ります。
この時、縫い目の部分は生地が重なって分厚くなっているので、この作業は縫い目の部分を避けて行うのがポイントです。
新しく針に糸を通し、縫い始める時も返し縫いをしてスタートします。
ヒダのところは必ずすくいましょう。すくっていないとヒダが固定されずブカブカしてしまいます。
番外編:縫い間違えた時の対処法
もし万が一下の写真のように縫い間違ってしまった場合でも糸を切らずにやり直すことができます。(表側に長く糸が出てしまいました)
まずは、まっすぐに糸を引き抜きましょう。
針は布地に対して垂直に抜くとすっと抜くことができます。
この時、力を入れると生地を傷めてしまうので、焦らずやさしく行うのがポイントです。
太い針を使っている場合などは、難しいこともあるので、この方法で上手くいかなかった場合は糸を切ります。
縫いながら、表目を定期的に確認し縫い進むと間違いがあってもすぐに気づくことができます。
縫い終わりも忘れず返し縫いをしましょう。
玉止めをし、糸を切ったら完成です。
下の写真が元の位置の3cm上を塗った状態です。
手順6:元の糸を外す
元の糸は、最初に外してしまうと大変なので、縫い終わってから初めて外します。
この時に、「今縫ったものを外してしまう」という事が多々あるので、注意しながら元の糸を外しましょう。
分からなくなった時は「サイズを伸ばした時は上側、サイズを縮めた時は自分側の糸を外す」というのを目安に、一度どちらの糸を外すのかをよく考えてから作業に移ると、ミスを減らすことができます。
縫いはじめの玉結びから、生地をはさまないように注意しながら、糸切ばさみで切っていきます。
ところどころ糸を切り、切ったところの真ん中の糸を引っ張るとラクに取る事ができます。
これでもともと縫っていた糸が取れました。
子供の着物の腰上げが完成!
着物を広げてみると、先ほどよりも腰上げの部分が短くなっていることがお分かりいただけると思います。
これで腰上げの調節が完成です。
富士山着物工房の公式HPやSNSもぜひご覧ください!
◆富士山着物工房HP https://www.kodomokimono.jp/
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