「画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」いよいよ開催!

幕末から明治にかけて活躍し、画鬼とも呼ばれた浮世絵師の河鍋暁斎(かわなべきょうさい)。正統的な狩野派を引き継ぎながら、浮世絵や江戸期の諸派をも取り込んだ絵師・河鍋暁斎のユニークで型にはまらない幅広い画業を楽しむことができる「画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」がいよいよ開催されますのでご紹介させて頂きます。

 

河鍋暁斎プロフィール

河鍋暁斎は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師、日本画家。号は「ぎょうさい」とは読まず「きょうさい」と読む。それ以前の「狂斎」の号の「狂」を「暁」に改めたものである。明治3年に筆禍事件で捕えられたこともあるほどの反骨精神の持ち主で、多くの戯画や風刺画を残している。

出典:Wikipedia

 

2歳ですでに蛙を写生するなど、絵に早熟な才能を示した周三郎(暁斎の幼名)は、6歳で浮世絵師の歌川国芳(1797-1861)に弟子入りします。このとき国芳40歳、すでに武者絵で絶大な人気を誇っていました。周三郎の画才はすぐに国芳の認めるところとなったようです。周三郎は事情があって2年ほどで国芳の許を離れますが、西洋画に至るまで貪欲にとりこんで旺盛に制作する態度、写生の重視、絵師としての反骨の姿勢など、国芳から多くのものを学んだようです。

9歳頃に周三郎は駿河台狩野家に入門します。絵に熱心な周三郎を「餓鬼」にかけて「画鬼」と呼んだのは、師の前村洞和愛徳(まえむら とうわあいとく)でした。ここで粉本(手本)に基づく狩野派の正統的な型をみっちりと学び、熱心な学習の甲斐あって18歳という早さで「洞郁陳之(とういく のりゆき)」の号をもらい修業を終えました。 その前年に描いた《毘沙門天之図》には、その技量の高さを見ることができます。

画鬼・暁斎—KYOSAI公式サイトより引用

画鬼のエピソード

出典:河鍋暁斎《鳥獣戯画 猫又と狸》 画稿不詳/河鍋暁斎記念美術館蔵

珍しいものを描きたいと願い、また描くことに夢中になってしまう暁斎にまつわるエピソードは、数え上げるときりがありません。8歳の周三郎は梅雨で増水した川面を描こうと神田川に赴きます。そこに流れてきたのはなんと男の生首でした。彼はそれを拾って帰り、自宅に隠して写生の機会を狙っていましたが、家族に見つかってしまいます。叱られて川に戻しに行く道すがら、それでも隠れて写生したそうです。

画鬼・暁斎—KYOSAI公式サイトより引用

 

画鬼・暁斎—KYOSAIの見どころ

出典:河鍋暁斎《惺々狂斎画帖(三)》(20図のうち)明治3(1870)年以前/個人蔵 ※後期のみ展示

幕末に生まれ、6歳で浮世絵師歌川国芳に入門、9歳で狩野 派に転じてその正統的な修業を終え、幕末明治に「画鬼」と称され、絶大な人気を博した絵師です。一方、三菱一 号館を設計した英国人建築家ジョサイア・コンドル(1852 -1920)は、政府に招かれ明治10(1877)年 に来日、日本の近代建築に多大な功績を残しました。彼は日本美術愛好家でもあり、暁斎に弟子入りして絵を学び、師の作品を海外に紹介しました。本展では、三菱一号館美術館開館5周年を記念し、コンドルの業績とともに、彼の敬愛する暁斎の厳粛さからユーモアまでただよわせる型破りな画業を、様々なジャンルにわたる国内外の名品約130点(展示替え有)によりご覧いただきます。

画鬼・暁斎—KYOSAI公式サイトより引用

 

出典:河鍋暁斎《大和美人図屏風》明治17-18(1884-85)年 京都国立博物館寄託 ※前期のみ展示

見どころのひとつでもある暁斎とコンドルの師弟愛。2人の交流はとても親密なもので、暁斎の《日光地 取絵巻》をみると、様々な名所旧跡を回り、何度か写生旅行にも出かけるほどだったそうです。屏風絵《大和美人図屏風》は、弟子のコンドルが自国に持ち帰ることを想定し、暁斎が「およそ6ヶ月もの間精力を集中して描き上げたもの」(コンドル著「河鍋暁斎」)。背景の屏風には、日本の稲作の様子が丁寧に描かれ、漆器や畳など日本独特の文化が余すところなく描き込まれています。

 

さらに、現在はニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されている、英国人が愛した暁斎の作品がおよそ100年ぶりに里帰りで展示されます。58歳で亡くなる2年程前に描かれたものと推定されている作品が展示され、晩年を迎えた暁斎の卓越した筆さばきと大胆な構図をみることができますのでぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?

 

画鬼・暁斎-KYOSAI幕末明治のスター絵師と弟子コンドル開催概要

会 期 2015年6月27日(土)~9月6日(日)*展示替えあり
前期:8月2日(日)まで/後期:8月4日(火)から
開館時間 開館時間:10:00~18:00
(金曜と展覧会会期最終週平日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜休館(但し、7月20日と8月31日は開館)
主 催 三菱一号館美術館、公益財団法人河鍋暁斎記念美術館
公式サイト:http://mimt.jp/kyosai/
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

 

 

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