書家・前田鎌利さんに教えてもらう、書の楽しみ方とは?

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最終更新: 2017/04/24

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最終更新: 2017/04/24

 

世の中にはたくさんの絵画であふれ、美術館や展示会に足を運ぶ方も少なくないでしょう。

でも“絵”は見ても“書”を観に行くという方の数はどれだけいるでしょうか。書って、なんて書いてあるのかわからない、なんでこれが評価されるのかわからない…などなど、何しろわからないことだらけで理解ができずなんだか距離を置いてしまいがち。たいていの方は、絵は描けないけど文字は書けるはずなのに、どうしてここに距離が生まれるのでしょうか。

今回は全国に15拠点、600名以上の生徒を抱える書道塾『継未-TUGUMI-』の代表理事・書家の前田鎌利(まえだかまり)さんに聞いた、書の楽しみ方をお伝えしたいと思います。

 

書家・前田鎌利さんご紹介

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前田さんが書道を始めたのは5歳の時、大正生まれのご両親は読み書きのできない方でした。

よくある学校の宿題で教科書を親に読み聞かせて、親が「読みました」と書いてもらうのも、幼い前田さんが代筆して書いていたそう。ご両親はそんな不憫な思いをしないように書道を習わせ始めました。ご本人がその苦労を知ったのは小学校6年生の時で、それから書道に向き合うように気持ちに変化が起きていったようです。

東京学芸大学の書道科を卒業したのち、今のソフトバンクに入社し、第一線で活躍していた前田さんは、ベストセラーになるビジネス書を出版するほどのビジネスマン。ですが、2011年の東日本大震災と2013年の東京オリンピック開催決定を機に、自分にしかできないことをしたい、後世に何か残せることがしたいという思いが強まります。

仕事の傍ら続けてきた書道に力を注ぐようになり、2014年に独立起業し、書道塾 継未-TUGUMI-を設立します。

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色々ある筆の種類。黒の一本の線も、こうした筆選びで表情が変わります。

 

前田鎌利さんに教えてもらう、書の楽しみ方

圧倒的な情報量の少なさが、書道を難しくしている

なぜ書・書道は難しく考えられがちなのでしょうか?どうしたら身近に感じられるのでしょうか?という質問に、前田さんはとても分かりやすく答えてくださいました。

例えば絵画で、ラッセンと聞いたらイルカをイメージしたり、ピカソと聞いたら目があっちにこっちについているような絵をなんとなくイメージしますよね。でも王義之って言われてもイメージわかない。書でかかれた達筆な文字を見た時に、読めないのに「うまいな〜。」という声を聞くのですが、ピカソを見て「うまいな〜。」というよりも「私はこの絵は好きだな〜。」とか「嫌いだな〜。」というように好き嫌いで判断をすることが多いです。

この原因は、書は残念ながら好き嫌いで見られるだけの情報量が足りてないんです。上手い下手で見て、自分でかけそうもないと「うまいな〜。」と言われたり子供が書いたような字だと「へただな〜。俺でもかけそう。」と言った言葉が出てくる。書ももっともっと情報量が増えてきたら好き嫌いで見ることができるはず。」(前田さん)

なるほど、圧倒的な情報量。知らないうちに私たちはそんな風に絵を眺めて、好き嫌いで楽しんでいたような気がしますね。

 

初心者でも楽しめる書の見方 「白がどう切り取られているのかを見る」

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前田鎌利さんの作品『LOVE LOVE LOVE

例えばこの作品、たいていの場合そこに何という文字が書いてあるのか、黒い線を見がちですが、書家である前田さんは黒で囲まれた白い部分を見るのだそう。丸一つ書くにしても、丸の書き始めが上からなのか、下からなのかで“白”の残り方が変わります。

そうして、文字を読むのではなく白が残された空間を見るようになると、その文字が読めなくても楽しくなります。コントラストや白の切り取り方に注目すると、素人でも絵のように楽しめるようになりそうですね。

 

東京キモノショーで前田さんの作品を見ることができます

2017年4月29日~5月7日まで、ゴールデンウィークに開催される『東京キモノショー』では、白い浴衣の反物に「TOKYO」「KIMONO」「LOVE」と前田さんの書をで埋め尽くされた6m×6mの巨大タペストリーが展示されます。12mの反物を8反を使用した大きな作品は、展示が終わった後に浴衣に仕立てられ完成する予定です。

“アート”作品が身に“纏う”ものに変化していく。その時その時の書の形態を楽しめるのが、他の展示会では見られない、東京キモノショーの作品の楽しみになりそうです。

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製作風景。反物を上からつるして、余白や文字のバランスを見ながら埋め尽くしていく作業は、通常の書家の作品にはない作業。

 

東京キモノショー概要

■会期:2017年4月29日(土)~5月7日(日) 11:00~19:00(最終日は17:00まで)
■会場:日本橋三井ホール
東京都中央区日本橋室町2 – 2 -1 COREDO室町1 5F (エントランス4F)
■入場券:一般1000円(高校生以下無料)
※5月7日は前田さんご本人が会場にいらっしゃいます。
■HP:http://tokyokimonoshow.com/

<前田さんに直接書道を習いたい方>

書道塾 継未-TUGUMI-
詳細はこちら:http://www.maeda-kamari.com/–tugumi-
あわただしい日常に ほんの少し 自分と向き合う時間を持ってみませんか?

インタビュー中、書で“念(おも)い”を伝えることの大切さを教えてくださった前田さん。どうしたら伝わるのかを考え、絶えず作品に表現しています。

 

おわりに

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少し〝書“を身近に感じていただけたらとてもうれしいです。実は、現代にも残っている「いいもの」と言われる書のほとんどは、誰から誰かに送られた手紙が大半。それは上手いとか下手とかではなく、「特に手紙は念(おも)いがこもっているものだから」今にも引き継がれている

と前田さんは言います。

よろしければ手元にあるボールペンで構わないので、近くにいる人に、手書きで自分の念(おも)いを書いてみてはいかがでしょうか。きっと何かが伝わるはずですよ。

 

 

<趣通信による東京キモノショーのインタビューやイベントレポートはコチラ>

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東京キモノショー特集

 

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