着物小物にぴったりなお洒落水引作家、荻原さんに魅力やおすすめをインタビュー

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最終更新: 2017/08/01

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最終更新: 2017/08/01

 

趣通信スタッフのちあきです。

近年魅力が見直され、人気が高まっている水引。日本らしいお花や紋の形にカラフルな色使いが人気です。帯留や髪飾りなどアクセサリーにするととっても可愛いですよね!

今回は水引ブームの立役者である水引デザイナー、洒落水引の荻原さんに趣-omomuki-代表のケビンがインタビューをさせていただきました。

 

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水引デザイナー・洒落水引代表

荻原 加寿美

Webデザイン業の傍ら、水引職人だった祖母の影響を受けて水引制作を始める。
2013年より「洒落水引」を立ち上げ、水引アクセサリーの制作を開始。

固定観念に囚われない、水引素材そのものの美しさや特性を活かしたアクセサリー等を制作する。
着物イベントや百貨店催事への出展・着物ブランドとのコラボ商品開発など行う。

書籍:成美堂出版「はじめての水引細工」(2014年発行)

 

水引は何に使う?水引の用途や歴史

ケビン
水引というと祝儀袋の飾りをよく目にしますが、どんなシーンで使われてきたのでしょうか?

荻原
そうですね、ご祝儀袋の飾りが最も一般的な水引の形です。テイストには地域差があって、関東はシンプルなものが多く、関西は立体的なものや色使いが豊富なものが多く華やかなんですよ。松や梅などの立体物も水引で制作します。他にも床の間に飾ったり壁に飾ったり、和室の装飾品や置物としても愛用されてきました。

諸説ありますが水引自体の歴史は長く、現在のように紙の素材で作るようになったのは室町時代だと言われています。明治から昭和初期頃にかけて花嫁修業の一つとして鶴・亀などの細工物に発展しました。

私はそのような伝統的な水引をベースとしながら、素材や作り方に様々な工夫を凝らして水引アクセサリーを作っています。

荻原さんが作る水引 “洒落水引” の工夫や特徴は?

荻原
私が製作する水引アクセサリーの一番のポイントは耐久性があること。

伝統工芸の水引はご祝儀袋など一回限り使うものなので、ほつれやすかったり先がひっかかりやすかったりします。でも私はアクセサリーとして愛用していただけるよう高品質な素材を選び、結び方や先端の仕上げに工夫を凝らしています。めったなことでは壊れません。

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素材だけでなく技巧のクオリティにも妥協しません。作り手である自分としても使っていただく皆さんにも、十分に満足いただくために美しい形を作るスキルを磨いています。

他にも現代のテイストや季節感に合う形や色使いを研究したり、セミオーダーや修理などにも対応したり。水引アクセサリーを使ってくださる方のことを考えながらひとつひとつ丁寧に作っています。

ケビン
伝統的な水引には、慶弔にはこの色、紐の本数がいくつなら縁起がいい、など用途に応じて色や本数に決まりがあります。しかし荻原さんはそれらのルールに縛られない水引作りをされているんですよね。

荻原
はい、私はもっと自由な水引作りを心がけています。新しいアイデアもどんどん生まれますし、何よりこれまでのルールに則るのではなく、使う人自身にストーリーを込めていってほしいんです。

水引デザイナー荻原さんが水引に魅力を感じたきっかけとは

ケビン
荻原さんが水引作りを始めたのは、近年のように水引細工が注目されるよりもずっと前ですよね。どんなきっかけで水引に興味を持ったんですか?

荻原
私が初めて水引に出会ったのは自分の結婚式の準備の時でした。
準備の過程でたまたま、祖母がかつて水引職人をしていたと知ったんです。山口県で制作し、広島の結納品の会社に提供していました。もう何十年も前に廃業していたのですが、父の実家にたくさんの美しい水引素材が眠っていました。これで何か作りたいなと思ったのがきっかけです。

東京で水引教室を探して、祝儀袋や鶴・亀などの作り方を一通り教わりました。

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でも私は、色が美しく形も作りやすい水引の素材にそれ以上の可能性を感じて。もっと他のことにも使えるのでは、と自分でアクセサリーを作り始めました。そこからだんだんとイベント出演のお誘いなどもいただくようになったんです。

水引デザイナー荻原さんが語る、水引作りの面白さとは

ケビン
実は当時、荻原さんのお仕事はwebデザイナーだったんですよね。

荻原
そうなんです。全く異なるキャリアで驚かれることも多いのですが、私はwebデザインを考えることと水引を作ることはよく似ていると感じます。フィールドは異なっても美しいデザインのために考えることは同じですから共通した面白さがあるんです。

webデザインと同じように、水引も色や形、大きさを考えてベストなビジュアルを追求するのはもちろんのこと、複雑な形を作る時には事前の計算も不可欠です。水引の線で形を描くように結ぶ工程は、グラフィックデザインと似ていると感じます。

発想次第でいろんな形を作ることができるのも面白いですね。伝統的な水引からはたくさん制作のヒントをもらいます。鶴の水引を見て、羽のパーツをイヤリングに使うと可愛いな、とか・・・。連想ゲームですね。Webデザインにおいても、紙面やプロダクトのデザインからもヒントを得ていました。そんなところもwebデザインでの経験と似ています。

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水引ならではの面白さというと、日本の文化を見直すきっかけになったこと。着物にも興味を持ち始めたり、水引の他にも日本の工芸について知りたいと思うようになったりしました。

皆さんにも水引アクセサリーを通じて気軽に日本の文化を身近に感じてもらうことができると思っています。日本を見直すきっかけになれば嬉しいですね。

 

 

 

伝統的な水引も、アクセサリーだと身につけやすく楽しみ方の幅が広がりますね。荻原さん、ありがとうございました!

 

 

趣-omomuki-では現在、洒落水引の荻原さんとワークショップ開催を計画しております!

詳細が決定いたしましたらまた改めてご紹介させていただきます。

 

 

洒落水引HP:http://mizuhiki.yogisoft.net/

洒落水引Web Shop:https://mizuhiki.fashionstore.jp/

Facebook:https://www.facebook.com/syaremizuhiki

Instagram:https://www.instagram.com/kazumi_kimono/

 

 

 

 

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この記事を書いた人
ちあき
ちあき

趣通信編集部スタッフの島田ちあきです。 着物デザイン事務所で働いたことがきっかけで着物好きに。 趣味は海外でアートな写真を撮ること、イラストを描くこと。 着物コーディネートや和グッズの情報はもちろん、普段はなかなか見えない、背景にあるモノづくりの情報も発信していきます♪

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