【邸宅で見るアンティーク着物展】アンティーク着物好きの想いがたくさんつまったイベントをご紹介♪背景や見どころを主催者にインタビューしました!

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最終更新: 2018/10/01

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最終更新: 2018/10/01

 

大正時代〜昭和初期に作られたアンティーク着物。その華やかな美しさや歴史を感じる佇まいに、夢中になる人があとを絶ちません。趣通信読者の方にも、アンティーク着物から着物に興味を持ったという方が多いのでは?
今回ご紹介をさせていただくのは、2013年より毎年開催されているイベント「邸宅で見るアンティーク着物展」です。

邸宅で見るアンティーク着物展とは

「邸宅で見るアンティーク着物展」は、”アンティーク着物”と呼ばれる戦前~昭和初期に作られた着物をその時代に作られた邸宅で鑑賞する展覧会。半襟、帯留と言った小物までコーディネートしたトルソーを、雰囲気たっぷりのロケーションで楽しめます。

着物は美術館で展示される場合、絵画を鑑賞するように壁にかけることが多いですよね。しかし「邸宅で見るアンティーク着物展」ではトルソーに着付けているため、コーディネートの妙とともに着物は身にまとうことのできる芸術品であると実感することができます。また時代をあわせた邸宅で鑑賞するので、当時の雰囲気を楽しむことができるのです。

主催はアンティーク着物をこよなく愛する有志の団体「アンティーク着物愛好会」の皆さま(詳しくは公式ブログより)で、毎年開催されています。展示されているアンティーク着物はすべて会員の皆さまの私物なんだそうです!

今回は趣通信スタッフのかっくとちあきが、アンティーク着物愛好会のメンバーのお一人でもあるauroraさんにお話をお伺いさせていただきました。アンティーク着物の魅力や「邸宅で見るアンティーク着物展」の背景をご紹介させていただきます。

主催のauroraさんを虜にしてしまったアンティーク着物の魅力

かっく
実は私、着物に興味を持ち始めた頃にauroraさんのアンティーク着物ブログに出会って。auroraさんの言葉や写真のひとつひとつからアンティーク着物への愛が伝わってきて、私もアンティーク着物に興味を持ったんです。

auroraさんを虜にしてしまったアンティーク着物の魅力ってなんでしょう?

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aurora
もう、全てが魅力的です。アンティーク着物は”素敵”でできているんです。・・・答えになってませんね(笑)。

まずは半衿や帯留めといった小さなスペースでコーディネートの印象が全く違ってしまうことが面白いですね。着物の場合、半衿は顔まわりの印象を変えてしまいますし、帯留めは帯の真ん中のアクセントとして存在感がとても大きい。アンティーク着物は特に半衿を広く見せますし凝ったデザインのものが多いので、より小物の面白さを活かしたコーディネートを楽しめます。

また、着物が普段着だった時代に作られたものですから、デザインの多様性も魅力ですね。
例えば、季節感の豊かな表現。紫陽花など限られた短い期間しか着られない模様の着物もたくさんあります。着られるときを一年間待ちわびて、2,3週間だけ楽しむ。遊んだデザインのものも多くて楽しいんです。クラゲ模様の着物や、英語が書いてある帯もあるんですよ。

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今の着物には無い軽やかな質感も魅力ですね。当時と今では絹糸の太さが違うんです。現代の着物は絹糸が分厚いので重くてしっかりした着物になります。でもアンティーク着物の絹糸は繊細で、着物も軽くてとろとろとした手触りなんです。とても着心地がいいんですよ。

ずっと昔に作られてこれまで愛されてきたものですから、どんな人がどんなシーンで着ていたんだろうと想像するのも楽しい。
第三回で展示したスタッフの素敵な振袖があるのですが、とっても妖艶なんです。黒地に水彩画のようにしっとりした質感のお花が山のように描かれていて。大正時代の人気画家、高畠華宵のイラストのような妖艶さ。こんなの結婚式などのフォーマルな場でなんて着られませんよね。いったい誰が、いつ着ていたのでしょう?わくわくしてしまいます。

それに、もうすぐアンティーク着物が楽しめなくなるかもしれないという希少性ですね・・。絹の寿命は100年と言われていて、今がアンティーク着物がリアルクローズとして着られる最後の時代かもしれないんです。そうなるとますます愛おしいですね。今のうちにできるかぎり楽しみたいという思いも後押しになっています。

どこに着て行けばいい?アンティーク着物のあるあるお悩みへのアドバイス

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かっく
アンティーク着物に興味を持った人から受ける相談でよくあるのが、「華やかなアンティーク着物に挑戦したいけれど、どこに着ていったらいいか分からない」という声。オーロラさんはどんな場所でアンティーク着物を楽しむのでしょうか?

aurora
ぜひどこへでも好きなところへ着ていってください!というのが本音ですが、私の場合をご紹介しますね。

まずはちょっとおめかしして出かける場所。私にとってアンティーク着物はカジュアルとフォーマルの間の、おめかしワンピースといった位置づけです。素敵なレストランでのお食事、ホテルのラウンジでの女子会、会社のパーティなど。アンティーク着物で行くとどこに行っても気分が高揚しますし、居合わせる人も喜んでくれます。

また、場所のために着物を選ぶのではなく着物に似合う場所を選んで赴くというパターンもあります。やはり古いものが愛され残されている場所は、同じく古くに作られて大切に残されてきたアンティーク着物にふさわしいですよね。
例えば古民家カフェ、古い建物を使っている旅館やホテル。京都や金沢といった古い町にアンティーク着物で旅行に行くのもとても楽しいですね。古い建物の再現も素敵です。長崎のハウステンボスは古くからあるヨーロッパの街並みを再現していますから、意外にもアンティーク着物と相性がいいと思います。

そして、そういう場所も楽しいのですが、もっともっとアンティーク着物が似合う世界を作りたい・・・という気持ちが長年ありました。その思いがアンティーク着物の展示イベント、「邸宅で見るアンティーク着物展」開催につながったんです。

超濃厚なレトロワールド!アンティーク着物イベント「邸宅で見るアンティーク着物展」開催

aurora
私を含めたアンティーク着物好きの仲間たちにも、自分の大好きなコレクションをそれにふさわしい場所で飾ってみたいという気持ちがありました。せっかくなら他のアンティーク着物ファンの皆さんにも楽しんでいただきたいと思い、「邸宅で見るアンティーク着物展」としてオープンに開催することにしたんです。

ポイントは、アンティーク着物にとってリアルな空間を作りあげること。

まず会場。アンティーク着物が映える完璧なステージにするため、こだわって選んでいます。
2015年はかの旧前田侯爵家の邸宅で開催しました。邸宅の持ち主だった前田侯爵は加賀百万石大名の末裔。侯爵がロンドンに駐在していたことから館はチューダー様式が取り入れられ、建設当時の明治時代、東洋一の館だと言われていました。そんな歴史ある洋館のサロンや食堂に展示しました。

展示方法にもこだわっています。ただ壁にかけるだけのような平面的な展示ではなく、トルソーに着付けて半衿や帯留もコーディネートして、着物を着た人が本当に生活しているかのように見えるよう工夫しました。当時の人々の会話が聞こえてくるようですよ。

こういった工夫を重ねることで、イベントでは、開催した私自身も華族の生活に迷い込んだような不思議な感覚を味わいました。来てくださった方々にも、レトロで華やかな世界へのタイムスリップ気分を感じていただけたと思います。

また、必ず写真撮影ができる場所を選んでいます。素敵な着物が沢山あったら写真を撮りたいですよね!自分も着物を着て会場に来るのならなおのこと。日本の美術館や邸宅は写真禁止の場所が多いので会場選びはいつも苦労するのですが、来てくださる皆さんに100パーセント楽しんでいただきたくて、気兼ねなく撮影を楽しめる場所を探しています。

 

2018年のテーマは「着物色図鑑」〜色に込めた想い〜

aurora
2018年は、10月6日(金)から10月8日(月・祝)まで東京都文京区の肥後細川庭園(旧称:新江戸川公園)内の松聲閣(しょうせいかく)で開催します。

松聲閣は熊本藩大名細川家の学問所や住まいとして利用されていた建物。今年も歴史ある素敵な場所で展示できることに私もわくわくしています。

今回のテーマは「着物色図鑑」〜色に込めた想い〜。日本には、古来より美しい名前をもつ様々な伝統色があります。耳にしただけで、その情景や香り、肌に感じる季節など想像を掻き立てられますよね。今回の展示はそのような「色」に込められた想いを感じ取ることが狙い。着物で表現された「色」を名前と共に紹介させていただきます。

私たちアンティーク着物愛好会が理想を詰め込んだ、アンティーク着物にぴったりの空間でリアルな着用シーンを再現した展示。
アンティーク着物にちょっと興味があるという方ならその魅力の虜になること間違いなし、どっぷりアンティーク着物に熱中しているという方ならご満足いただけること間違いなしの、アンティーク着物愛好会渾身のイベントです。ぜひたくさんの方に楽しんでいただきたいですね。

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アンティーク着物への溢れる愛を語ってくださったauroraさん。
アンティーク着物の世界が再現される、着物ファンにはたまらないイベント「邸宅で見るアンティーク着物展」。ぜひ足を運んでみてください!

 

趣通信スタッフである私たちも昨年(2017年開催)にお伺いさせていただきました。その時のレポートはこちら。

関連記事【邸宅で見るアンティーク着物展】第5回目となる邸宅で見るアンティーク着物展に行ってきました♪

【邸宅で見るアンティーク着物展】第5回目となる邸宅で見るアンティーク着物展に行ってきました♪

趣通信スタッフのかっくです。東京都文京区の肥後細川庭園(旧称:新江戸川公園)内の松聲閣(しょうせいかく)で開催されていた、邸宅で見るアンティーク着物展に代表のケビンさんとスタッフのちあきちゃん…

 

撮影可能なイベントです。ぜひアンティーク着物の世界を堪能してみてくださいね。

邸宅で見るアンティーク着物展VI 「着物色図鑑」〜色に込めた想い〜

会場
肥後細川庭園 (旧称:新江戸川公園) 松聲閣(しょうせいかく)

東京都文京区目白台1-1-22
東京メトロ有楽町線:江戸川橋駅下車 徒歩15分
東京メトロ東西線:早稲田駅下車 徒歩13分
都電荒川線:早稲田駅下車 徒歩5分

会期
2018年10月6日(金)~10月8日(月・祝)

開場時間
10月6日(土 ) 13:00-18:00
10月7日(日) 10:30-18:00
10月8日(月祝) 10:30-18:00
(いずれの日にちも最終入場17:30まで)

主催
アンティーク着物愛好会

共催
松聲閣(しょうせいかく)

目録料
(含入場料)
一般 500円、 小学生以下無料

公式ブログ

公式Twitter

 

 

 

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この記事を書いた人
ちあき
ちあき

趣通信編集部スタッフの島田ちあきです。 着物デザイン事務所で働いたことがきっかけで着物好きに。 趣味は海外でアートな写真を撮ること、イラストを描くこと。 着物コーディネートや和グッズの情報はもちろん、普段はなかなか見えない、背景にあるモノづくりの情報も発信していきます♪

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