着物の衿についてしまうファンデーションなどの化粧汚れ…。自分でも簡単にできる衿の汚れ落としのお手入れ方法を「たかはしきもの工房」の高橋和江さんにお伺いさせていただきました。
揮発の遅い「リグロイン」を今回は使用して衿の汚れ落としを行いますが、ベンジンとの違いなども動画で解説しております。
目次
着物のお手入れ|プロが教える!簡単にできる衿の汚れ落とし
着物のお手入れ|衿の汚れ落としに用意するもの
衿の汚れ落としに用意するもの|普通のタオル
タオルのノリを落とす意味でも洗いざらしの方が良いです。
衿の汚れ落としに用意するもの|ガーゼ
拭くために使うガーゼ。ガーゼでなくても、いらなくなったハンカチなどでも大丈夫です。薬品(リグロインやベンジン)をたくさん吸い込まなくて済むので、ガーゼやハンカチは大きめではなく小さめの方がおすすめです。
衿の汚れ落としに用意するもの|リグロイン
薬局でお取り扱いがあると思いますが、ネットでも1,500円程度でお求めいただくことができます。(リグロイン 500mL(¥1,069))
リグロインとベンジンの違いとは?
ベンジンはリグロインに比べ、揮発が早いため、乾くのが早いです。衿の汚れ落としでは、汚れをボカしたいため、揮発の遅い(=よくボカせる)ベンジンの方が初心者の方におすすめです。
衿の汚れ落としに用意するもの|器
リグロインを入れる器を用意します。
着物の衿の汚れ(汗染み・シミ・ファンデーションなどの化粧汚れ)
必ずと言っていいほどつく、衿まわりの化粧汚れ。この汚れが酸化して変色すると、シミ抜きの他に染色補正などが必要になってしまい、お値段も高くなってしまいます。
衿の汚れをこまめにお手入れすることで着物がより長持ちしますので、実際のお手入れ方法をご紹介していきます。
着物のお手入れ|衿の汚れ落とし
衿の汚れ落としその①:リグロインをつける
リグロインを衿の汚れ部分につけて、汚れを浮き立たせます。汚れを浮き立たせ、まわりに移動させます。
衿の汚れ落としその②:汚れをぼかしていく
汚れを浮き立たせたら、ぼかしていきます。(水ではこすらないように注意してください。)汚れのキワが立たないようにぼかしていきます。
衿の汚れ落としその③:着物を乾かしていく
着物をパタパタと仰ぎながら自然乾燥をさせていきます。
着物の衿にあった化粧汚れが落ちているのが分かりますか?
着物の表面が乾いていても、完全に乾いていないとカビなどの原因になります。お手入れ後は完全に乾かすために半日は陰干しをしてください。
着物のお手入れ方法に関する質問をお聞きしました!
赤ワインやお醤油を着物にこぼした時の応急処置など緊急のお手入れ方法は?
高橋和江さん
絹の着物の場合、水性の汚れは自分で洗えないため、その汚れが広がらないように水分をとります。
テッシュなどに汚れを移すように、こすらないようにキュッと抑えます。こすると擦れにつながるので注意してください。
コップの水滴が着物にポタッと落ちた時や、手を洗ったときについた水滴は?
高橋和江さん
コップの水滴が着物にポタッと落ちた時は手で挟むんですよ。水滴が落ちたのもの物によってはシミになってしまいます。
手を洗った時についた水滴なども水型が残ったり、縮んでしまったりということが絹はあります。
そういう時は、手の熱で静かに着物を挟んで乾かします。そうすると水型がつきません。
たくさんの箇所でなければ、手の熱で静かに乾かすことで大丈夫です。
お湯で濡らしたタオルで着物を押さえるのは?
ケビン
赤ワインやお醤油をこぼしたりしてしまったら、お湯で濡らしたタオルやおしぼりで押さえたくなるんですが、それはどうなんでしょうか?
高橋和江さん
最悪です(笑)
お湯だと毛羽が立ちやすくなってしまいます。綿や絹は細かい繊維がより集まってできていますが、水分が含まれることで繊維が緩んでしまいます。
お湯で押さえることで毛羽が立ちやすくなってしまい、その箇所を擦ると生地が傷んでしまう原因になります。
ポイントは、一回濡れたものを押さえたら(手やテッシュなど)とにかく乗せたら動かさないこと!
そのあとに乾いたものでキチッと押さえ水分をとります。(何度も押さえたりすると、擦れにつながるため注意)
ご自宅でもできるお手入れ方法ですので、ぜひ動画も繰り返しご覧いただきお試しいただければと思います。
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