“本物”に生で触れる大切さ。結城紬に初めて触れてみて感じたこと。

[イベント]

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最終更新: 2016/01/31

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最終更新: 2016/01/31

 

先日、趣通信でもご紹介させて頂きました結城紬を生で見て・触れて・体験できる「ツムギのミカタ」に私もお伺いし、参加させて頂きましたのでその時の様子や初めて触れてみて感じたことをご紹介させて頂ければと思います。

国の重要無形文化財に指定され、ユネスコの無形文化遺産にもなった日本を代表する紬、結城紬(ゆうきつむぎ)。手つむぎで真綿から紡いだ糸を地機と呼ばれる機で織っていく織物ですが、着物を着るようになってまだ1年程度の私は、結城紬を生で見たこともなかったので、とても楽しみにしておりました。

 

ツムギのミカタ

当日は文久3年(1863年)から続く老舗である結城龍田屋さんと鞠小路スタイルさんに結城紬になる前の綿や糸の段階からどの様な過程で結城紬が出来るのか実際の映像を交え解説を頂きました。

蚕が作った繭から真綿を作り、真綿から手で糸紡ぎをする。1反分を紡ぐのに熟練の技をもってしても2~3カ月かかるそうです。

糸紡ぎの様子

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出典:http://ameblo.jp/marikoji-tokyo/

 

当日は無料で糸紡ぎの体験が出来ましたが、これが最初は上手く糸を紡ぐことが出来ず、苦戦しました。。また結城紬を実際に織る時に使用する地機(じばた)も会場に用意されており、機織りも体験しました!

 

結城紬を実際に織る時に使用する地機(じばた)を初体験

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地機の特徴は、身体が機の一部になっており、縦糸を腰で引っ張って、必要な時だけ縦糸を張ります。このことで独特の風合いが出るそうです。当日は実際に機を動かして、コースター作りを体験しましたがこれがまた難しかったです。。

教えて頂いた通りになかなか身体は動かず、15分程度の体験でしたが、少し汗ばむくらいでした。(そして翌日筋肉痛になりました。汗)

 

また講義の中では、全ての工程が手作業で作られる本場結城紬を実際に拝見させて頂きました。

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こちらの結城紬、写真で見ると固そうな印象があるかもしれませんが、とても軽く柔らかな仕上がりでした。そして着装までさせて頂いたのですが、あまりの着心地の良さと、温かさに着装のまま帰りたくなってしまうほどでした。。(苦笑)

本場結城紬を着装した様子

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結城紬と聞くと高価な印象があり、実際着装させて頂いたこちらの結城紬も車を購入できるほど高価なものでした。大変恥ずかしながら、以前から高価な値段の着物を見ただけでは、なぜその着物がそこまでの金額になるのか理解する事が出来ませんでした。正直、今回も始めは結城紬が作られる工程を拝見しながら、とても丁寧で熟練された職人の方の技術に関心する一方で、もっと効率的に作ればお求めやすい価格帯にもなるのでは?とも思って聞いておりました。

しかし、実際に結城龍田屋さんと鞠小路スタイルさんから結城紬が出来るまでの解説を聞いた後に、手作業でなければ生み出せない本場結城紬を着装させて頂き、とても妥当なのではないかと感じてしまいました。もちろんすぐに購入できるような手軽なお値段ではありませんが、でもいつかお気に入りの結城紬を購入したいと心が動いてしまったのも、実際に生で触れたことが大きいと思います。

 

実は私は革靴が本当に大好きで革靴だけでも10足以上持っているのですが、その中には1足数十万する靴もあります。購入する前は1〜3万円の靴を履いていたので、はじめ購入する前はとても高いと感じていました。

しかし実際に試着したとき、革靴なのにまるでランニングシューズを履いているかのような履き心地の良さに感動してしまい、手入れをしっかりして行く中で魅せる経年変化がとても楽しく、以降コレクションする靴が増えていきました。

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(靴はもちろん好きですが、靴磨きはもっと好きです。)

 

今回、結城紬に初めて触れた感動は私に取っては靴との出会いに大変似ており、良いものに触れる機会を着物を着始めて1年弱で経験できてとても良かったと感じております。

良いものの価値観は人それぞれだと思います。

普段使いはさほど消耗をそこまで気にしないものを利用しながらも、オシャレしたい時やハレの日などは普段より少し良いものでテンションを上げたいのが私の楽しみ方です。現在、持っている着物は浴衣を含め三着しかまだもっておりませんが、結城紬はいつか必ず自分でお気に入りの一着を持ちたいと思いました。

ツムギのミカタは、本物に触れることの大切さを改めて感じさせて頂いたとても素敵なイベントでした。 6月には鞠小路スタイル京都教室での開催が決定しているそうですのでまた詳細が発表されましたらご紹介させて頂きます。

 

また当日いらっしゃった方の中になんと、趣通信でご紹介した冒頭のツムギのミカタのイベント記事をご覧頂き、来られた方がいらっしゃいました。運営責任者の私としても、とても嬉しく、直接お話しをお伺いすることもでき、趣通信にとっても大変参考になるご意見や気づきを与えて頂いた1日でした。

 

趣通信はまだサイトを作って1年程度ですが、着物や日本文化をもっと身近に気軽に楽しんで頂けるようなキッカケ作りをしたいと思い、サービスを運営しております。Facebookやインスタグラムでもたくさんの方にフォローして頂き、月間数十万人以上の方がサイトへ訪問して頂ける様になりました。

着物や日本文化を楽しんで頂けるようなキッカケを作れるよう引き続き情報を発信していくことに加え、2016年は実際に体験して頂けるような機会作りにもチャレンジしていきたいと思っております。

ご覧頂いてる皆さまを含め、今後とも趣通信を楽しんで頂けたら幸いです。

 

 

 

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この記事を書いた人
ケビン
ケビン

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